GRIM at soup 10/04/24

ミュージシャンの故・林直人さんが、
「バンドを継続していく難しさと、一旦リタイヤして復帰する難しさは同じ」
といった発言を見たことがある。(何処で見たかは失念したが)


4/24に落合soupで「GRIM」の20年振りの復活LIVEを見た。
4-24
1980年代に東京のアンダーグランドシーンで活動していたインダストリアル・グループ。
前身の「white hospital」も含め、殆どの音源を入手し愛聴していた。
残念ながら、その現役活動中には都合が合わず、LIVEを見る事は叶わず、
そしてgrim活動停止。
無念な思いを抱え帰郷、それから20年の時が過ぎた今、復活の報。
出会ってから4半世紀。自身の長き思いの清算をすべく会場に向かう。

「control chaos」
出演は演奏順に、
linekraft+government alpha
pain jerk+grunt
diesel guitar
tangerine dream syndicate
grim

diesel guitarは、最近では珍しくハーシュ感の多い音を出していて
会場内を隈なく包み込むサウンド・ワークが心地よかった。

この日のライブで特に印象に残ったのは「tangerine dream syndicate」
初期タンジェリン+ラモンテな音世界を、音量をMAXに持って行かず、
敢えて押さえ気味の演奏。弦楽器、エレクトロニクス等が絶妙に絡む
ドローン曼荼羅的世界を展開。今まで音を聞かなかった事を猛省(新潟へ戻った後、速攻CDを購入)。

そのtangerineの演奏後半に、会場後部で何かイザコザが始まった模様だった。
泥酔客が暴れたかの様。ロレツの回らない口調が聞いて取れた。

そしていよいよGRIMの出番でセッティングも完了し、バンドメンバーが音を出し始めた。
そこにボーカルとしてマイクの前に立ったのが、先ほどイザコザを起こしていた人物、
そのディストーションを掛けたマイクを通した叫び声は紛れも無いあの声、
小長谷淳その人だった。

時折、トライヴァル&ノイズサウンドをバックに絡むはアジテーションボイスは
瞬間高揚感を生むのだが、それはすぐ中断してしまう。
正体を逸してる感で、歌わなくなりすぐ意味不明の言葉を吐いたり、暴れたり、客に絡んだり、
客側になだれ込んだり、もうまともなライブにはならなかったのだ。
客に被害が及ばぬよう、主催者側数人が最前列で必死に守ったり、何とかライブを
続行させようと、必死になっている姿をほぼ前列中央で一部始終を観察していた。
これが、自分がリスペクトしてきた音楽家なのか?半分怒り、半分情けなく思った。
ただ、相手構わず絡むのでは無く、明らかに掴み掛かったりする相手を意識してた様にも見えた。
結局、終始グダグダなままライブは突如終了。終了後に会場に流された「heaven knows」が
やたら物悲しい。ハプニングとしては面白かっただろうが、こんな結末は期待していなかった。
自身の25年の空白は埋まる事は無かった。

「歌う事を怖がってるみたい」会場内にいた知人の言葉。
20年の間に増殖した伝説の重みに、耐え切れなかったのだろうか。
こういった姿を見せられて、この後またブッキングする主催者は果たしているのだろうか。
桑原智禎を中心としたサウンド・ワークは素晴らしかっただけに、無念な思いだ。

「バンドを継続していく難しさと、一旦リタイヤして復帰する難しさは同じ」
帰り際、ふと冒頭のこの言葉を思い出していた。

画像は、昨年末「電狼」でのGRIM復活LIVE
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No title

非常に興味深く読ませていただきました。

小長谷氏がこの20年間何をしていたのか、別名義で音楽活動は継続させていたのか、そもそも20年の空白を経て何故今になって活動再開したのか・・・
すべて分かりませんが、この20年間で、伝説の、あの伝説の、と、ある種カルト的に膨れ上がってしまった感もあるのかも知れないGrimという名前を背負い込んで、その伝説をひとめ見たいと目を輝かせるファンを前にして一人絶唱する。
もしかしたら相当なプレッシャーだったのかもしれませんね。


僕はあまりライブには赴かないので、あの時の会場の空気がどれほどのものだったのか、普段との比較は出来ないのですが、「今日は客があり得ないほど多いなあ、こんなすし詰め状態のライブは初めてだ。」との声を周りから聞きました。
そんな異様な熱気と、プレッシャーと、20年間のブランクもあったのかもしれませんが、そう考えると「歌う事を怖がってるみたい」というところは、振り返ってみれば僕的にも非常に辻褄が合う思いです。

出番前に浴びるように酒を飲んだのも異様な熱気とプレッシャーに圧されてのことだったのではないか。

どうにか舞台に上がっても、尻込み故だったのか、所々で会場を飛び出そうとし、その都度、Linekraftはじめ、主催者、共演者たちに宥められていたこと。

喧嘩といえるほどまでに執拗に客を煽ってコールアンドレスポンスを求めていたこともそれらの裏返しだったのではないか。

前列で一緒にノッてくれた人達に、終了後ハグして回っていたのも、どうにかこうにか終わらせられた安堵感からだったのか(笑)
等々。

ちなみに開演前の待ち時間の間、偶然、アルコールが入る前の素面状態の小長谷氏を見掛けたのですが、穏やかそうな人という印象を受けました。


動画の、去年末の電狼も僕は実際に見てきたのですが、非常にスリリングで鬼気迫るライブでした。
それは、泥酔して暴れ回る、などという意味ではなく、純粋に演奏・パフォーマンスの凄まじさ故のスリリングさでした。
この動画じゃ音がお粗末過ぎてそれがイマイチ感じられませんが、ステージから一番離れた席に居ても尚、鳥肌が立ってしまう程のものでした。
CDで浴びるほど聴いたあの絶唱とまったく同じものをいま目の前で本人が叫んでいる! という感動もあってのことですが。
ちゃんと演ってくれたんですよ!Noble Folkを!

そんな電狼でも評判を聞き付けて、世界中からファンが集まって、結果あんなことになってしまったというのなら、それはとても悲しいことですが(笑)


これから先、Grim当人がまたライブをしたいと考えるのか、それを招待してくれる主催者が現れるのか、分かりませんが、やはり一ファンとしては今度こそ完成度の高いライブを見たいと期待してしまう所存です。
そして再結成というなら、やはり新作アルバムなんかもどうしても期待してしまうのです。


駄文長文失礼いたしました。

Re: No title

アルフォンス・ミヤシタ さま

コメントありがとうございます。

GRIMの作品に出会ったのが25年前。
当時は勿論殆どの人がGRIMの存在すら知らなかった訳ですが、
20年の間「伝説」だけが一人歩きして膨れ上がっていた感が有ります。

あの日のライブの経緯は何だったのか。
自分自身もその「伝説」を膨らませていた一人なので
複雑な思いを今だ抱いたままです。

そういえば昔、女優の緒川たまきがNHKで「GRIM」の曲をセレクトして
流していて(確か「メッセージ」の中の何か)、
偶然それを見ていて驚愕した事があります(笑)。

No title

昨日、再びのGRIMがありました、うってかわって充実した演奏をしていました

Re: No title

> 昨日、再びのGRIMがありました、うってかわって充実した演奏をしていました

ご報告ありがとうございます。ネット散策しましたが、おっしゃる通り良い出来だったようですね。
出来るんならなぜそれを4月にやってくれないのかとw
しかし、次の機会が楽しみになりました。
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プロフィール

music freak out

Author:music freak out
新潟県の燕三条FM「ラジオは~と」にて、通常のFMではまず流れないであろう音楽の数々を独自の選曲で15年間オンエアーされていた異色音楽番組「music freak out」のナビゲーターだった「ナゴヤ」のエッセイなど。

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